一時保養受け入れ団体『福島こども保養基金』
2011年3月11日に発生した東日本大震災や東京電力福島第一原発事故によって被災された皆さまには心よりお悔やみとお見舞い申し上げます。
3.11東日本大震災は、津波による非常に甚大な被害をもたらしたと当時に、未来永劫に渡って、環境やいのちに影響を及ぼすといわれる放射能汚染という悲しい現実の幕開けともなりました。
政府の「収束宣言」も虚しく、その裏側では今なお、汚染による産業被害や被曝を強いられて苦しんでいる人たちが大勢いることを忘れてはなりません。
私たちは3.11以降、福島県に住む人達と出会い、交流を重ねて参りました。
その中で、放射線によるこどもの健康への影響に不安を感じながらも、様々な事情を抱え、
避難出来ずに放射線下で子育てをする親御さんたちに出会ってきました。
そして、屋外活動を制限されて暮らしているこどもたちにも出会ってきました。
現地の声を聞いていくなかで、家族がばらばらにならずに、少しでも被曝を避ける為の取り組みが今、ほんとうに求められていると実感しています。
そこで、2012年3月に、福島県で生きるこどもたちの為の被曝対策支援として、『福島こども保養基金』を結成いたしました。
主な活動内容は、長期休みを利用し、放射線量の低い秋田県へ、福島在住の親子たちを招き、保養生活をしていただくという取り組みです。
こどもたちの被曝積算量を少しでも減らし、思いっきり空気を吸ってのびのび遊んでもらおう!
五感で感じとれない放射線に、危機意識を持って日々生活することに疲れ切っているママたちに回復してもらおう!
普段、口にしづらいことを思いっきり叫んじゃおう!
福島のママ同士が、課題や情報を共有し、支え合っていけるような繋がりを作ろう!
そして、福島と秋田が繋がり、一人の人間としてのリアルな出会いが開かれていくことを願い、『福島こども保養基金』は活動を展開しております。
2012年の夏休み保養をスタートに、春休み保養、2013年夏休み保養、冬休み保養とマイペースに継続しております。
さらに夏の保養では、測定室の運営者や研究者など、放射線に詳しい方をご講師に招き、ママたちの放射能学習会を必ず設けております。リフレッシュ対策だけではなく、親たちの不安や悩みに応じながら、福島でも具体的にできる被曝対策をみんなで考え実践していくことを課題にしています。
また、最近では、内部被ばく対策として、食材支援の窓口業務も行っております。
電気を大量消費する便利な生活を無自覚に享受してきた私たち大人の生き方が、福島のこどもたちの現在を映し出しています。厳しい暮らしを押しつけてしまっている事実を厳粛に受け止め、出来ることをしていきたいと思っています。
放射能という終わりなき闘いの中で、世界の宝であるこどものいのちを守るために、息の長い支援活動を目指していますので、どうか多くの方々のご支援、ご協力、ご参加をお待ちしています。